再生音量とアンプの出力

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ステレオや拡声機の規格において再生音量そのものが表示されることはあまりありませんが、その代わりのようにアンプの出力がたいてい記載されています。しかしこれは、音量の目安としてあまり妥当とは言えません(アンプ部だけの比較なら妥当です)。
ここではアンプの最大出力と最大音量について述べてみます。

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超 小型 装着拡声機
 

アンプ出力と音量の関係

 最大出力が1Wと4Wの2つのラジオでは、最大音量はどの位の差があると思いますか。4Wのラジオは1Wのラジオの4倍の音量が出せると考える方は多いのではないでしょうか。
しかしそれは間違いです。この場合スピーカーの能率が同じなら、最大音量の差は2倍なのです。また1Wラジオの10倍の音量を得るには100Wのパワーが必要になります。つまり、スピーカーの再生音量を大きくするには、その二乗倍のアンプ出力が必要なのです。また、アンプ出力が2倍になると音量は約1.4倍になりますが、1.4倍の音量差は比較してはじめて分かる、少し違うかなという程度の差です。

スピーカー能率との関係

 スピーカーの能率は商品毎に大変大きな差があります。どのくらいの差かというと一般的スピーカーでさえその差は5.5倍前後(多分80〜95dBくらいの能率)あります。これはアンプの出力に換算すると30倍にもなります。つまり理屈では、能率が80dBのスピーカーを30Wのアンプで駆動するのと、95dBのスピーカーを1Wのアンプで駆動するのは同じということになります。
 また、同じ型式スピーカーでもバラツキはかなり大きく、通常±2dB位です。この場合バラツキの上限と下限では4dBの差があり、これはアンプの出力に換算すると約2.5倍です。だから同じステレオを購入してもその最大音量のバラツキはかなり大きいと言えます。しかし差が大きいとは言え、音量としては約1.6倍。また、人の耳にはもっと小さな差と感じますから、そのくらいの差は大したことではないとも言えます。
ともかく、ステレオや拡声機はスピーカーの能率で音量は大きく異なりアンプ出力だけ比較してもあまり意味がありません。しかしアンプ出力に少しくらいの差が有っても最大音量の感じる差は意外に少ないのです。だから、出力100Wのアンプと10Wのアンプを比べてもそれ程の差は感じられないと思います。何を言っているのか訳が分かりませんね。

 スピーカーの能率は一般的に1Wの信号を入力した時に1m(小型スピーカーでは50cmの場合もあるようです)の距離でどの位の音圧が得られるかで表されます。単位はdB(SPL)です。


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