スペクトラム拡散の概念

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 スペクトラム拡散はGPSによって知られるようになりました。そしてかなりの時を経て、今、第三世代ケータイやブルーツース等で使われています(CDMA: Code Division Multiple Acccess・・・同一周波数を用いた多重通信)。

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 スペクトラム拡散を分かり易く言うと「電波の周波数を激しく揺することによって狭い周波数に集中している電波エネルギー(スペクトラム)をある程度の帯域幅の中にふり蒔く」ことです。ふり蒔きは特定データ列の繰り返し信号(拡散コード・・・送信データより高い周波数が使われる)によって行われます。

 受信側ではふり蒔かれた電波を掻き集めながら受信して目的の信号を再現します。掻きか集めるためには送信時のふり蒔きと同じコードで受信周波数を揺らせます。

 アナログ放送の感覚で考えるとなんだかメチャクチャになりそうな気がするかも知れません、送信機と受信機がそんなに正確に同じように通信周波数を揺する事など出来ないと。しかし、揺する速度が通信信号の周波数より高いし、移相シフトによる変調のデジタル通信だから可能なのです。

 送信でふり蒔かれた電波のレベルは大変小さく、受信側では通常ノイズレベル以下になります。従ってスペクトラム拡散された電波はその存在さえも知られ難いと言えます。
知られ難さは、拡散コードが異なる他の通信電波に対しても同様なので混信も大変起こり難く、同じ周波数によって多くの同時通信が可能です。
また、外来ノイズなどの不要信号は受信動作でスペクトラム拡散されて非常に小さなレベルになりますから雑音にも大変強い訳です。


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