光や電波の速度

ホーム 

光や電波を使えば(つまり電話等を使えば)、地球の裏側のように遠くにいる人と会話が出来ます。これほど早く声を届けてくれる光や電波の速度は秒速約30万Km(地球の約7周半)というのは多くの方がご存じだと思います。しかし、この秒速30万Kmという速度は私達が普段感じている速度イメージとはかなり違います。
暮らしの中の電気の知識 メニューへ

光よりも早いものがある?

 最近は光よりも早い情報伝達ができる量子縺れ技術が発表されていますが、まだ一般的ではありません。量子技術による通信が一般化すると、衛星探査機との通信は決定的に改善されるでしょう。遙か遠くの惑星やロケットの乗客とタイムラグ無しの通話が可能になるのかもしれません。また、人の脳が量子コンピューターだとすると、超能力は普通の能力でしかありません。 まだ認知されているとは言えない、量子縺れによる通信はひとまず除外します。

ロケットはどこまで加速出来る

 宇宙空間を高速で移動するロケットも打ち上げの最初はゆっくりと動きはじめ、やがて早くなり宇宙に飛びだして行きます。この加速され具合はエンジンの出力とロケットの重さ(正しくは質量)の関係で決まります。つまりエンジン出力が大きいほど素早く加速されますが、エンジン出力が同じならロケットは軽い方が早く加速されます。
では、ロケットは理論的にどの位のスピードまで加速出来るのでしょうか。
エンジンを噴射し続ければ限りなく早くなるような気がするでしょう。そうなのです、私達が普段感じているスピードの感覚で言うなら、それはいくらでも早くなる、つまり無限大のスピードになるまではどこまでも加速出来る筈です。しかし無限大は限りが無いことですから重さの有るロケットを無限大の速度にするには無限大のエネルギーが必要です。だからロケットを無限大速度にすることはできません。
では「重さの無いもの」(?)にエネルギーを与えて加速するとどうなるでしょうか。無限大の早さになるとは思いませんか。
重さの無いものがエネルギーを持っているのが光です(光には重さが有るとも言えるのですが・・・実際に測定出来るそうです)。

光速度=無限大速度?

 大まけにまけて、無限大の早さのロケットが有るとするなら、そのロケットに乗った貴方はどんな遠くの星にでも瞬時に行くことが出来ます。なぜならそのロケットのスピードは無限大なのですから。
ところが、ロケットに乗る貴方自身は瞬時に目的地につくのですが、これを第3者が観測すると時間がかかるのです。 つまりそのロケットの早さは無限大ではないのです。どのような早さかというと秒速約30万km、光速度と同じです(観測機材の性能はどんなスピードも正確に測定出来る理想的なものと仮定します)。
つまり、私達が普段感じている感覚から言えば、無限大速度、それが光速度なのです(だから、重さの有るロケットを光速度まで加速するには無限大のエネルギーが必要であり、それは不可能なのです)。

30万km/秒と29万km/秒の差は30万km/秒

 時速90kmで走る車に乗った貴方は、後から来る時速91kmで走る車にゆっくりと追い越されることになります。 この時貴方はその車に時速1kmの早さで追い越されます。つまり貴方から見るとその車の速さは時速1kmです。
しかし、秒速29万kmで飛ぶロケットに乗った貴方は、同じ方向に進む光を観測してもその光は秒速1万kmではなく、秒速30万kmです。なぜならロケットは高速とはいえ有限の速度であり、光速度は無限(とも言える)だからです。

 

 この様に光速はどんなに早く移動する乗り物から観測しても秒速約30万kmです。そのため光速度は絶対速度とも呼ばれます。
電波の速度も光と同じです。何故なら電波と光は周波数が異なるだけで、どちらも電磁波と呼ばれる同じものだからです(しかし、周波数が異なるがためにそのふるまいはかなり違います)。


メニューページへ