補聴器と集音器の知識

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 補聴器の聞こえ問題がここには多く記載されています。しかしこの問題の殆どはホワイトイヤーで解決されました。従って以下はデジタル補聴器を含む一般的な補聴器に関する問題です。

 「補聴器」という言葉で頭に浮かぶのは「お年寄り」「小型電子機器」、実際に利用されている方なら「高価格」「雑音が煩い」「あまり聞こえない」といったようなことではないでしょうか。

 補聴器の知識として「高価格」「雑音が煩い」「あまり聞こえない」は大変重要ですが、購入前に知っている方は少ないと思います。ここでは、補聴器購入時に役立つと思われるこれらの知識を筆者の主観で、出来るだけ広範囲に纏めてみました。しかし、範囲が広いので一度にスッキリと纏めるのはなかなか困難です。そこで、未完成のままで公開することにしました。内容は随時充実させますので宜しくお願いします。また、誤記や不行き届き等も含むかもしれませんが、ご容赦頂けますようお願いします。

 補聴器は医療器機としての補聴器と、医療器機でない補聴器(集音器等)に区分されることが多いのですが、機能的にはどちらも同じであり、切り離しての記述は適切ではありません。そのためここでは、医療器機を表す場合は「補聴器」とし、医療器機もそうでないものも含む場合は「補聴機」、医療機器を除外する場合は「集音器」として記述します、あらかじめご了承下さい。

補聴機による聞こえ方

 補聴機は聞こえを助けることが目的の商品ですから、聞こえの良さは最も大切です。また、殆どの補聴機は気導式です。そのためここでは気導式 補聴機の聞こえ方問題を述べてみます。尚、これらの問題の多くは補聴機では解決出来ないと言われてきました。しかし完璧とまでは言えませんが、当社のホワイトイヤーではこれら問題の殆どが解決されています。

【言葉を聴き取り難い】
 健康な耳では通常の会話での言葉は楽に聴き取れます。ところが補聴機を使うと大変に疲れます、明瞭度が悪いし音に神経を集中しないと聴き取れなのです。それは難聴が原因ではありません、耳が健康でも補聴機を使うと聴き取れないのです。だから、耳の良い人も補聴機を使うと騒がしいスーパーではレジでの会話が殆ど出来ないでしょう。聞こえを助ける機器なのにかえって聞こえないとは腑に落ちませんね。

【近くの声しか聞き取れない】
 補聴機を使うと近くの音と遠くの音は大変大きな差で聞こえます。健康な耳では音源との距離が少しくらい遠くても、近い音源の音とそれ程違わない音量に聞こえるのにです。補聴機のマイクロホンは音の大きさを正確に捉えている筈なのですが、補聴機を使うと、大きさ、聴き易さ、共に遠くの音と近くの音ではまるで違うのです。そのため補聴機の実用範囲は通常2〜3m、良くて4m位までと言われています(環境によって異なります)。

【複数の言葉が混在すると聞き取れない】
 補聴機では複数人でのおしゃべりだと言葉を聴き取れません、相手が一人なら聞き取れるのにです。また居酒屋のように大勢の人声でザワザワ、ワイワイ、していると、もう何も聴き取れません。「1.の言葉が聞き取り難い」と根は同じかもしれません。

【騒がしい環境で役立たない】
 補聴機を使うと騒音中での言葉の聴き取りは大変困難です。特に目的の音より騒音の方が大きいと、補聴機を使って目的の音を聞き分けるのは不可能です。また、騒音の激しい表通りで補聴機の音は煩いばかり。騒音は撹拌されて聞こえ、会話など出来ようがありません。しかし、健康な耳では騒音の中でも目的の声をかなり聴き取ることが出来ます。健康な耳のこの現象はカクテルパーティー効果として説明され、補聴機を使うとこの機能が働かないされてきました。しかし当社の技術は、これが補聴機の問題ではないことを実証しました。

【音源の場所を把握出来ない】
 補聴機は両耳装用することで、音の方向や音源の場所が判るとされています。これは全くの嘘ではありませんが、従来補聴器ではあまり分かりません。健康な耳では特殊な場合を除き、音源の位置は明瞭に分かります、それがたとえ背後でもです。しかし、1.の場合と同様、健康な耳でも補聴機を使うと判別できません。しかし、当社のホワイトイヤーはモノラルにも関わらずかなり良好に音源を掴めます。ステレオ化すれば完璧になります。

【環境雑音が異常に強く聞こえる】
 補聴機が嫌がられる理由で最も多いのが雑音です。大切な言葉はあまり聞こえないのに、環境雑音は異常に強く聞こえるのです。高い周波数の雑音は耳を疲れさせ、低い周波数の雑音は頭痛を引き起こしたりします。
そのため最近のデジタル補聴器では雑音を消去する機能がついているものが増えました。しかし、その機能を働かせると不自然だし必要な音まで消える不都合があります(雑音も必要な情報の一つです)。雑音を消去しても根本的な解決にはならないのです。

「補聴機は雑音が煩い」というユーザーに対し、「人の耳は多くの音の中から聴きたい音だけを選択して聞き分けられるが、補聴機は全ての音を均一に拾ってしまうので雑音が多いのは仕方ない」と説明する補聴器 屋さんは多いようです。しかし、そんな馬鹿な話はありません、煩いのは何故なのか分からなかっただけなのです。

 雑音による不快感が最も少ないのは 骨伝導補聴機 、次に少ないのはホワイトイヤーみみ太郎でしょう。尚、ホワイトイヤー の最大の特徴は、大変深刻な難聴でも聞こえることですが、衝撃音や高い音の雑音特性も みみ太郎 より優れています。

【頭痛がする】
 補聴機で「環境雑音が大変に強く聞こえる」の雑音は主に中域〜高域周波数の雑音を指しますが、頭痛は低い周波数の環境雑音によって引き起こされるようです。洞窟の中で低い音が籠もる状態に似ています。これは耳穴の密閉度を低くすれば軽減できます。そのためか数年前は多かった耳穴型は減少して(耳穴型は密閉度を低くするとハウリングが起き易い)、密閉度を低くくし易い耳掛け型が増加しています。また、小型化が進み耳掛け型が目立たなくなったことも理由です。

【紙を丸める音や水の流れる音が不快】
 薄くて堅い紙をクシャクシャと手で丸める音や新聞をめくる音、或いは蛇口から勢いよく流れ落ちる水の音は補聴機使用者に大きなストレスを与えます。これらの音は言葉と同じ周波数帯にあるので補聴機での軽減は難しい面があります。補聴器をつけて、せせらぎの音を楽しむという宣伝を見ることがありますが、実際どうなのでしょうか。

【音質が不自然で音楽鑑賞に適さない】
 これはデジタル補聴器で特に顕著です(アナログ補聴器は一般的にデジタル補聴器より良い音です)。最大の原因はデジタル補聴器のマルチチャンネル方式にあると考えられます。4チャンネルとか16チャンネルという言葉を聞いたことがあると思いますが、そのことです。例えば4チャンネルだと音声信号を帯域毎に4つに分断して処理し、その後で再び合算します。ところが帯域毎に処理具合が異なるので、合算は綺麗に出来ません。その結果プロ歌手の歌も音痴に聞こえる等、音楽用としては不向きな音になってしまいます。綺麗な合算のためにはチャンネル数を十分多くすれば良いとされています(これも本当かどうかは不明です)が、現在の技術ではあまり多く出来ません。

【多くの補聴器(調整型補聴器)で、終わりの無い調整が必要】
 耳の聞こえ方は、それ程長くない時間で変化します(数日で大きく違うこともあります)。そのため補聴器の特性もそれに合わせて変わるべきとされています。ところが調整型補聴器(耳穴型と耳掛け型の多くは調整型です)はユーザー自身で変えることが難しく補聴器店で調整されるのが普通です。そのため度々補聴器店に足を運んで調整する必要があります。理想としては1ヶ月に1度が良いとも言われますが数ヶ月に一度位は行うべきなのかもしれません。尚、補聴器には無調整型と呼ばれるものもあります。イヤホン型、或いは箱形補聴器の多くはこれであり、この場合補聴器店での調整は不要です。ホワイトイヤーやみみ太郎はこれです。

【咀嚼音が大きく聞こえる】
 原因は「頭痛を起こし易い」と同じです。耳穴が密閉される補聴機では咀嚼音が耳穴の中で増幅され大きく聞こえるのです。密閉度が高い小さな耳穴型補聴器では問題になることが少なくありません。

【ハウリングが起こる】
 ハウリングは、スピーカーから出た音がマイクロホンに入り、それが増幅されてスピーカーから輻射されることが繰り返され、繰り返される度に音が大きくなる場合に起こります。繰り返される度に音が小さくなるようにすればよいのですが、耳穴型のように小さな補聴機では高い密閉度が必要です。耳掛け型補聴器では耳穴型程ハウリングは起きないので、中度難聴用程度なら開放感のために密閉度を低くした商品が増えました。しかし、耳掛け型でも高度難聴や重度難聴用では密閉度を上げるためにイヤモールドが用いられます。ポケット型補聴機ではスピーカーとマイクロホンの距離を大きくできるのでハウリングは起こり難く深刻な難聴用に適しています。

【衝撃音が苦痛】
 最近の補聴機はこの現象は随分と改善されました、衝撃音で飛び上がるような商品は粗悪品と考えた方が良いでしょう。しかし最近の補聴機でも、ドアがバタンと閉まる音や、床にものが落ちた時の音にかなりの苦痛を感じる製品があります。

【高価格な商品が多く、使用者の経済的負担が大きい】
 補聴器の価格は様々ですが、常識的な価格帯の補聴器でさえ他の電子機器と比べれば驚きの価格です。補聴器が高い理由は様々ですが、最大の原因は流通形態のようです。価格が低いと現在の補聴器店は成り立たないかもしれません。
あの小さな筐体にパソコン一台分がはいっているのだから高くて当たり前、という話を聞くことがあります。もしそうならその技術を使えばものすごい性能のパソコンを造ることが出来ますね。

補聴機は音をどの位増幅するか

 難聴の度合いはdB(デシベル、デシあるいはデービーと発音される場合もある)で表されますが、これは聞くことのできる一番小さい音の大きさを健常者のそれと比較したものです。つまり40dBだと健常者の約100倍、60dBなら約1,000倍の大きさでなければ聞こえないことを意味します。

 単純に考えると60dBの難聴は、音を1,000倍に増幅する補聴機を使用すれば健常者と同等の聞こえを得られることになります。しかし、実際にはそこまでの増幅はしません、同じにまでしなくても聞こえるからです。例えば30dB増幅(約30倍)する補聴機を使えば30dBの難聴者と同等と言えます(実際には様々な問題で同等ではありません)。

 しかし、もし高度難聴者(例えば75dBの難聴者)に丁度良い増幅度の補聴機を健聴者のあなたが使うと、音量の大きさにヒエーと驚くことでしょう。高度難聴かそれ以上に深刻な難聴における聞こえ難さは半端ではありません。

難聴の程度を表すdBについて

 難聴のための音の大きさの単位にはdBHLが用いられます。これは健康な耳に聞こえる一番小さい音のレベルを0dBとしそれの何倍(理屈上は何分の一も)かを表す単位です。つまり40dBHLという音の大きさは健康な耳に聞こえる一番小さい音の約100倍の大きさです。
ところが難聴の度合いを表す場合、HLはあまりつけられません。40dBの難聴者は40dBHLの音がやっときこえるのですからHLを付けるべきかもしれないのに付けられないのです。理由は多分、健聴者との比較という意味なのでしょう。つまり40dBなら40dBHLの大きさが聞こえるという意味ではなく、健聴者より40dB(100倍)聞こえ難いという意味だと理解出来ます。

 健康な耳は0dBspl〜120dBspl程度の音を普通に聞くことが出来るとされています。120dBsplは健康な耳に聞こえる最小値の約1000,000倍の大きさです。つまり聞こえる最小値から、その100万倍の大きさの音までを健康な耳は普通に聞くことが出来ます。

 dBsplは物理的な音の大きさを表す時に用いられます。従って一般の電気製品にはこれが用いられます。dBHLとdBSPLは4dB異なります、0dBHL=4dBSPLです。

難聴の種類と補聴機

障がい器官の違いによる難聴の種類

【伝音性難聴(伝音難聴)】
 伝音性難聴とは、音を神経器官まで伝達する、外耳(耳介&外耳)、鼓膜、中耳、等の障害による難聴であり、中耳炎などによる難聴はこれに当たります。聴覚神経に異常がないので治療できる可能性があるし、補聴機の効果が大きい難聴です。耳閉症は典型的な伝音性難聴であり、耳穴が無いので気導式補聴機は使えませんが、骨伝導補聴機は大きな効果があります。尚、純粋な伝音性難聴は中度難聴以上ではあまり見られませんから、深刻な難聴に骨伝導補聴機はあまり期待できません。

【感音性難聴(感音難聴)】
 感音性難聴は内耳など、聴覚神経に含まれる器官に障害がある難聴で現在の医学で治療は困難です。補聴機による改善は可能ですが効果は様々であり、伝音性難聴ほど簡単ではありません。例えば音は感知出来ても何を言っているか分からない等は典型的な感音性難聴ですが、改善は難しいのです。また、感音性難聴では、音の周波数違いによる聞こえ方に極端な差がある人も多く、そのような場合は補聴機に高度な機能が必要とされています(しかし、ホワイトイヤーは難聴者自身で容易に最適状態に設定出来ます)。更に、「小さな音は聞こえ難いのに大きな音は健聴者以上に煩く感じる」と人もありますが、これも感音性難聴の一つです。
 40代〜60代に多い突発性難聴も代表的な感音性難聴です。原因は解明されていませんが早期なら治療で回復することもありますので、異常に気づいたら一刻も早く医師に相談して下さい。補聴機の検討は症状が固定してからにすべきです。

 この他にも騒音性難聴、薬剤性難聴、メニエール病等、感音性難聴は多岐に渡り症状も様々です。
また、幼児期から強度の感音性難聴、或は聾だと言葉の修得が難しい問題があります。

【混合性難聴(混合難聴)】
 伝音性難聴と感音性難聴の両方を併せ持っているのが混合性難聴であり、老人性難聴の多くはこれです。先天性の感音性難聴では音の周波数違いによる聞こえ方に極端な差があることが多いのに比べ、老人性難聴の場合は、音の周波数が高くなるほど聴力がなだらかに低下しているのが普通です。そのため、感音性難聴を含んではいても補聴機の適用は比較的容易です。また、混合性難聴の場合、感音性難聴を含んでいても骨伝導の効果を期待出来る場合が少なくありません。

聴力による難聴の分類

 一般的に聴力の度合いは軽度難聴、中度難聴、高度難聴、重度難聴、等で表現され、一般的には下記のように分類されます。しかし分類法はいくつもありますから注意が必要です。また、聴力は「平均聴力レベル」(会話に必要な500Hz〜4000Hzの平均)で表されるので、高い周波数と低い周波数で大きな感度差があったりして一様ではありません。つまり、同等の聴力でも大きな個人差があったりします。

【軽度難聴】
 30dB〜45dBくらいであり、補聴機無しでも生活への支障はそれほどありません。しかし「ささやき声や、小さな音を聞き取れないときがある」「普段から聞き間違えたり、聞き返すことが多い」「会議などで聞き取りがつらい」「家族からテレビの音が大きいといわれる」等、健康な耳の人とは明らかに異なります。

【中度難聴】
 46dB〜70dBであり、補聴機無しでは生活に支障があります。また、上限と加減では症状の差が大きく、中軽度難(46dB〜60dB)と中度難聴(61dB〜70dB)とに分けられたりします。中軽度難では「普通の会話が困難」程度ですが、中度難聴では「耳のすぐそばで話してもらわないと普通の会話が困難」「大声なら聞き取れる」といったように随分と深刻です。

【高度難聴】
 71dB〜90dBが該当し、大抵は補聴機を使っても会話が困難です。そのため高度難聴以上では多くの方が手話を使われます。症状例としては、「車がそばにこないと気づかないときが多い」「耳そばで大声で話してもほとんど理解出来ない」等です。尚、ホワイトイヤーなら通常は十分に実用範囲です。

【重度難聴】
 91dB以上の難聴であり、一般的には聾に分類されます。言葉の聴き分けは殆どできませんが、補聴機を使えば音があるかないかの判別は可能な場合も多いので、重度難聴と呼ばれたりします。また、ホワイトイヤーなら91dB〜100dBでは多くの場合実用範囲、更に100dB以上(最重度難聴)でも聴こえることが少なくありませんから、最重度難聴という言葉もいずれ一般化されるかもしれません。

世界保健機関(WHO)による難聴の分類
軽   度:26〜40dB
中 等 度:41〜55dB
やや高 度:56〜70dB
高   度:71〜90dB
非常に高度:91dB以上

次のような分類もあります
軽度 難聴:26〜40dB
中度 難聴:40〜70dB
高度 難聴:70〜90dB
ろ   う:90dB以上

軽度 難聴:26〜40dB
中等度難聴:41〜55dB
準重度難聴:56〜70dB
重度度難聴:91dB以上

補聴器の代金補助について

 障害者手帳の保持者は、難聴の程度に応じて補聴器の支給 或いは 代金補助を受けることが出来ます。支給を受ける手順は概ね下記ようになりますが詳細は自治体によって異なりますので、正確には自治体の福祉課にお尋ね下さい。
また、少数ですが集音器でも代金補助が行われる自治体もあるそうです。補聴器の場合と同様、福祉課にお尋ね下さい。

1.指定の耳鼻咽喉科判定医に「補聴器支給の意見書」を交付してもらう。
2.自立支援法品を取扱う補聴器販売店に「見積書」の作成を依頼する。
3.次の書類を「身体障害者手帳」と共に福祉課窓口へ提出して、補聴器の支給申請を行う。
  ●申請書
  ●補聴器支給の意見書
  ●見積書
4.補聴器支給の適否について判定後、「補聴器費用支給券」が郵送されてくる。
5.「補聴器費用支給券」と印鑑を指定の補聴器販売店に持参し、補聴器を受け取る。

身体障害者手帳の交付を受ける手順

1.自治体の福祉課に相談する。
2.指定の耳鼻咽喉科判定医の診察と検査を受け「手帳交付の意見書」を交付してもらう。
3.「手帳交付の意見書」「申請書」等の書類を福祉課に提出して、身体障害者手帳の交付の申請を行う。
4.手帳が交付される。

身体障害者に認定される聴力とその等級

1級:無し(認定されるのは、ろうあ者)
2級:両耳の聴力レベルがどちらも100dB 以上(全ろう)
3級:両耳の聴力レベルが90dB以上(耳介に接しなければ大声を理解出来ない)
4級:1. 両耳の聴力レベルが80dB以上(耳介に接しなければ話声を理解出来ない)
   2. 両耳による普通の話声の最良語音明瞭度が50%以下
5級:無し
6級:1. 両耳の聴力レベルが70dB以上(40cm以上の距離で発声された会話を理解出来ない)
   2. 一方の耳の聴力レベルが90dB以上、もう一方の聴力レベルが 50dB以上

難聴の違いと補聴機の選択

【伝音性難聴】
 補聴機の効果を最も期待できる難聴であり、多くの商品が適用出来ます。尚、軽度難聴なら、例え感音性の要素を持っていても伝音性難聴のように対応してあまり問題はありません。また、この難聴には耳穴に負担がかからない骨伝導補聴機(きくちゃん骨伝導クリアーボイス等)が効果的なのも特徴です、耳だれのある場合 骨伝導は特にお薦めです。

【感音性難聴】
 先天性や若年性の感音性難聴では音周波数の違いによる感度差が極端に異なる場合が多く、補聴機の選択がなかなか難しいと言えます。補聴器はフィッティングが重要だと言われる理由の一つはこの感度差です(ホワイトイヤーは使用者が容易に最適状態に出来るのでフィッティングは不要です)。
突発性難聴も感音性難聴に含まれます。突発姓難聴は初期なら治療出来る可能性がありますから、気がついたらすぐに医師に相談すべき、遅れると回復は難しくなります。また、補聴機の検討は症状が固定してからにすべきです。

【混合性難聴】
 伝音性難聴と感音性難聴の二つの要素を持ちますが、混合性難聴の殆どは老人性です。老人性難聴では例え感音性難聴であっても高い周波数の感度がなだらかに低下している場合が多く、高い音を強調するだけで補正出来ます。そのため補聴機の適用は先天性や若年性ほど難しくはありません。また、骨伝導補聴機も効果が高い場合がありますから試す価値があります。

補聴機の音響特性

 医療用補聴器の音声周波数特性の上限は狭帯域型は 3,000Hz、広帯域型でも 5,000Hz 程度です。音楽用オーディオ機器では 20,000Hz まで必要とされ、最近では 40,000Hz まで再生できる商品もあるのに比べ随分見劣りします。しかし、高性能集音機では高い周波数まで聞こえる製品が増えました。ちなみに みみ太郎は10,000Hz、ホワイトイヤーは12,000Hz 程度です。日本語の弁別は上限 1,500Hz で可能とも言われますが、あまり賛成出来ません。実際にどのくらい必要かは難しいのですが、個人的には 10,000Hz なら十分だろうと考えています。

【音源の把握と臨場感】

 臨場感のためにステレオ補聴機は効果的です。そのためか最近は補聴器の両耳装用が増えています(両耳装用はステレオと等価です)。しかし臨場感には周波数特性なども関係し、ステレオ両耳装用だけで解決でできる訳ではありません。また、深刻な難聴ではステレオよりモノラルの方が良い場合もあります。

 モノラルの方が良い場合があるある理由は、ステレオタイプでは指向性マイクロホンが使われることが多いからです。指向性マイクロホンだと側面方向の音は反対側の耳に聞こえ難いからです。このような補聴器での聞こえは理屈上モノラルの半分になります。しかしモノラルだと、どの方向の音も両耳に均等に聞こえるのでステレオよりよく聞こえるのです。しかし、マイクロホンが無指向性のステレオ補聴機ならモノラル機並みの聞こえが、かなりの臨場感と共に得られます。しかし、臨場感や音源の把握特性は指向性マイクロホンのステレオに比べかなり犠牲になります。

 ステレオなら音源の方向や場所も分かる筈でなのにステレオ補聴器を使っても或いは両耳装用しても、それ程分からないのは無指向性マイクロホンが使われている場合があるのと、遠くの音への感度が十分でないのが理由です。

 音源の把握や臨場感のためにはステレオでなければならないという訳でもありません。音源の把握や臨場感は目に入る情報や学習効果も深く関わっているらしいからです。片耳を塞いでも音源の把握も臨場感も可能なのはこの為と考えられます。
実験のために私は、イヤホン型ステレオ補聴機を用いて道路端で車の音を聞いてみました。最初は補聴機の向きを正しく道路に向けて、すると車の走る方向と音は一致します。次に目を閉じて補聴機の左右を反対にすると車の走る方向も反転しました。ところがこの状態のまま目を開けると左に走り去る車と右に走り去る車の二つの音が聞こえます。つまり耳に入る音は実際とは反対なのでそのように聞こえると共に、目から入る情報によってもう一つの音像が生じたと考えられるのです。

【片耳装用と両耳装用】
 両耳に着けるのは面倒だし費用も約2倍必要です。聞こえの良さでは勿論両耳装用が優れていますが、扱い易さと経済性の面で片耳装用の方は多いのではないでしょうか。しかし、両耳イヤホンタイプ補聴機なら一台で両耳ですから割安です。

人が言葉を聴き分ける仕組み

 声は人が声帯を使って出す音ですが、言葉の発音は様々な音色によってつくり出されます。

 一般的に人には20Hz〜20,000Hzの振動が音として聞こえるとされています。Hz(ヘルツ)とは1秒間に振動する回数(周波数)の単位です。つまり20Hzは1秒間に20回振動するという意味です。そしてこの振動回数が少ない音は低音、多い音は高音と呼ばれます。しかし何Hz以上が高音と決められている訳ではありません。そして周波数が低い連続音はブー、高い連続音はピー、或いはチィーといった感じに聞こえます。つまり周波数が異なると異なる音色として認識されます。また、楽器や虫の声 等、私達を取り巻く音は、大きさや継続時間の異なる様々な周波数の音が複雑に組み合わさっています。そしてこの組み合わせの違いにより、人には異なる音色として聞こえます。つまり音には無限の音色が存在します。

 言葉は異なる音色の音が組み立てられて成り立っています。つまり日本語では50音というのが基本になっていますがこの50音は音色の異なる声音を分類したものです。
例えば「イ」という声には、主に、350Hz前後の音と2,600Hz前後の成分があります。また、「エ」という声は700Hz前後と2,200Hz前後の音により成り立っています。
この発音の中の異なる周波数音を専門用語でホルマントと呼びます。また低い方のホルマントは第一ホルマント、高い方は第二ホルマントと呼ばれます。 パソコンによる音声合成ではこのフォルマントを利用して言葉をつくり出します。また、実際には第三ホルマントや第四ホルマントも存在します。しかし、これらの音量は大変小さい上に無くても十分認識できるので通常の説明では第一ホルマントと第二ホルマントが用いられます。

 第1ホルマントと第2ホルマントでは第一ホルマントのほうが大きく、通常は13〜16倍のレベル差があります。そのため難聴になると第一ホルマントは聞こえても第二フォルマントが聞こえないというようなことが起こります。このような場合、声は聞こえても何を言っているか分からないという症状になります。

難聴の程度と補聴機

【軽度難聴と補聴機】
 30dB〜45dBくらいの聴力が該当します。これは「ささやき声や、小さな音を聞き取れないときがある」「普段から聞き間違えたり、聞き返すことが多い」「会議などで聞き取りがつらい」「家族からテレビの音が大きいといわれる」等で、補聴機無しでも生活への支障はそれほどありません。しかし、健康な耳の人とは明らかに異なります。
軽度難聴ではそれより深刻な難聴用補聴機の全てが適用可能ですから、拾い選択肢があります。しかし、使い勝手や音質には商品毎にかなりの差がありますから何でも良いという訳ではありませんから、選択は注意深くあるべきです。

 私の主観でお薦めするなら、最初は「クリアーボイス」や「イヤーホース・コンパクト」。クリアーボイスは必要な時だけ短時間利用の使い方が主であり、このような使い方だと雑音が気にならない利点があります。イヤフォース・コンパクトは2クラスくらい上位価格の補聴機にひけをとらない聞こえです。しかし、構造がややキャシャなので大事に取り扱って下さい。

【中度難聴と補聴機】
 聴力46dB〜70dBがこれに該当します。「普通の会話が困難」、「耳のすぐそばで話してもらわないと聞こえない」、「大声なら聞き取れる」という具合で補聴機無しでは生活にかなりの支障があるというのが一般的な認識です。中度難聴での本人の困窮は想像以上です。頼るしかない補聴機の利用は快適とは言えず、それでも補聴機に頼らざるを得ないのが中度以上の難聴です。
中度難聴では上限と下限で支障の程度に大変大きな差があります。そのためか、中軽度難(46dB〜60dB)と中度難聴(61dB〜70dB)とに分けられたりします。尚、平均的補聴機は中軽度難聴が上限と思った方が無難です(この限りではありません、100dB超でも役立っている例はあります)。61dB〜70dBなら補聴機の選択に神経質であるべきです。

 当社取り扱い商品では、フェミミみみ太郎骨伝導クリアーボイスiスマートボイスイヤーホース・コンパクトきくちゃんタワール等がお薦め出来ます。
中軽度難聴の殆どは伝音性難聴と考えてあまり問題はありません。また、骨伝導補聴機は伝音性難聴用として注目出来ます、耳穴に負担がからないし(iスマートボイスは少し異なります)雑音や衝撃音が苦にならないからです。また、耳だれがある場合はこれ以上の選択はありません。実用範囲は中軽度難(46dB〜60dB)までと考えた方が無難です。

【高度難聴と補聴機】
 71dB〜90dBが該当し、症状としては、「車がそばにこないと気づかない場合が多い」「耳そばで大声で話してもほとんど聞こえない」等です。高度難聴以上では補聴機を使っても通常の会話は困難とされていて、手話は重要なコミニケーション手段になっています。しかし、みみ太郎なら、75〜80dB程度まで、ホワイトイヤーなら100dB超でも実用的です(感音性難聴の場合個人差が大きいので必ず役立つという訳ではありません。高度以上は殆ど感音性難聴です)。高齢になってからの手話習得は大変ですし、聞こえるなら言葉の方が余程優れていますから検討をお薦めします。

【重度難聴 及び 最重度難聴と補聴機】
 91dB以上の難聴であり、一般的には聾に分類されます(101dB以上は全聾・・・最重度難聴)。しかし言葉の聴き分けは出来なくても、補聴機を使って音の有り無しが判別出来るなら難聴として扱っても嘘ではありません。そのため補聴機業界ではこのような場合、重度難聴或いは最重度難聴という表現で対応するのが普通です。

 重度難聴より深刻だと補聴機は役に立たないとされ、人工内耳が勧められます。しかし、人工内耳は手術及び手術後のリハビリも必要です。また、必ず成功するとは限らないし、手術すると神経を元の状態には戻せないので注意が必要です。尚、(ホワイトイヤーなら91dB〜100dBは勿論100dB超・・最重度難聴・・でさえも実用的な場合が多いので是非ご検討下さい)。

 「聾」という言葉は全く聞こえないことを、「難聴」は聞こえ難いことを意味し、二つは別ものとされています。

難聴のレベルと聞こえ方

 中軽度より軽い難聴では、聞こえ難いと言えども健聴者の聞こえの延長として考えることが出来ます。しかし、中度難聴(61dB〜70dB)を超えるあたりから健聴者には想像出来にくい領域になります。

 伝音性難聴(音を神経まで伝える器官の障がい)だけなら中軽度難聴以上にはならないと言われています。つまり中度難聴以上では感音性難聴(聴覚神経に属する器官の障がい)か混合性難聴(伝音性難聴と混合性難聴を併せ持った障がい)ということになります。健聴者に想像出来難いのは感音性難聴の要素が加わるのも原因の一つかもしれません。

 感音性難聴の聞こえ方は「音がゆがむ」などと表現されますが、健常者には想像出来にくいものです。
ゆがんだ言葉を建物に例えれば半壊状態のビルや家のようかもしれません。一般的にゆがみは神経や脳で起こると説明されます。しかし、特定周波数の音が聞こえないか或いは聞こえ難いがために言葉の要素がそこだけ欠落(建物ならその一部が欠けている)することが主因の場合が多いと私は感じています。深刻な感音性難聴では周波数の違いによる感度差が大変大きい場合が多いからです。

医療用補聴器のフィッティング

 殆どのデジタル補聴器では、主に「周波数に対する耳の感度特性に合わせて増幅度と最大音量を設定」するフィッティングが行われます。そしてこの機能と設定は大変重要だとされています。しかし私はホワイトイヤー開発の経験から、この効果は限定的、或いは補聴器が解決出来ていない雑音や衝撃音の問題を軽減するための暫定手法だと思っています。

 その理由は、
ホワイトイヤー開発において、私はある方に度々試聴をお願いしていますが、その方は会話に最も重要な中音が大変聞こえ難い(高音と低音はよく聞こえる)高度難聴です。そしてその人用に特性を整えたホワイトイヤーは、多少高音が足りないと言えども、私にとってもあまり不都合や違和感がないからです(平均的な人用に設定された補聴機はこの人に役立たない)。

 つまり、周波数の違いによる感度特性に大きな起伏がある人に合わせて調整されたホワイトイヤーは、健聴者の私にも不自然ではないのです。これは無調整でも誰にでも聴き易い補聴機の製造が可能なことを意味します。つまり、フィッティング調整のために補聴器店に足を運ぶ必要のない補聴器が造れることになります。

補聴機の価格

「高い!!」ある程度知っていたつもりでも、実際に購入する気になると価格の高さに驚くのではないでしょうか。しかし、高いのはたいてい小型の医療用補聴器です。集音器も他の電気製品に比べればかなり高価格ですが、医療用補聴器に比べれば割安感があります。
考えられる高価格の原因。
  • 技術的に補聴機は未完成:良い商品の開発は難しいので金がかかる。
  • 補聴機の市場は大変小さい:製造のコストダウンが出来難いし流通費がかかる。
  • 調整やメンテナンスが必要:サービスコストが大きい。
  • 選択権が事実上販売業者にある:業者に好ましい(高額)商品が企画される。
  • 医療機器である:競争原理が働きにくい。
  • 小型である:小さいが故に製造コストが高い。
高いか安いかは購入者の主観ですが、殆どの方が高いと感じていることは間違いないでしょう。補聴器が高価格である最大の理由は技術的に未完成商品だからだと私は考えています。
つまり、
未成熟商品のため性能が至らない。
 ↓
性能不足だからユーザーの満足が得られず販売数が伸びないし、少数のユーザーは少しでも高性能(高額)品を求める。
 ↓
高価格でもある程度売れるので高額品が造られる。
 ↓
高額品なら流通費やサービス費が高くても採算が取れる。
 ↓
結果価格が下がらない。

 消費者には、メーカーや販売業者が不当な利益を得ているように感じられるかもしれません。しかし現実は多くのメーカーが採算が取れなくて撤退してきました。けれども、日本ではそれと入れ替わる様に集音器に参入するメーカーが増加しています。集音器なら医療機器の規制を受けないので、小型に囚われなければ採算がとり易いと言えます。

 「体の一部として働くのだから安い筈がない」「高度な技術で造られた小型精密機器だから高くても仕方がない」等の説明を受けたり、暗黙のうちにそのように納得している方は多いと思います。しかし、「体の一部として働くのだから安い筈がない」なら、眼鏡も同じです。けれども、眼鏡はそれ程高いとは思えません。

 「高度な技術で造られた小型精密機器だから高い」のでしょうか。
回路やスピーカー、それに電池まで含んだ機器が耳穴に治まるのには驚かされます。日本の補聴器メーカーが海外メーカーに太刀打ち出来なくて撤退したのも小型化が主な原因と聞いています。しかし、小型補聴器は汎用部品では造れないサイズだけれど、それが技術的に高度だから造れない訳ではないようです。つまり、高価格の一因は小型であるにしても、大手メーカーの寡占によって競争原理が働かないからとも考えられます。

補聴機の種類と特徴

外観による補聴機の分類

【耳穴型補聴器(ITE・・・In The Ear・・・カナル型) 】
 サイズによってCIC、ITC、フルサイズの3つに分類されます。小さくて活動を妨げないのが最大の特徴であり、めがねを掛けても邪魔になりません。しかし、小さいがゆえにマイクロホンとスピーカー部が近くハウリングを起こし易いので密閉度を高くする必要があり、閉塞感や咀嚼音の点で不利です。その他に、操作し難い、紛失し易い、性能の割に高価なものが多い、増幅度が低く深刻な難聴に向かない、等の理由で減少傾向にあります(最近まで補聴器の主流でした)。大抵はオーダーメイドですが既製品もあります。また殆どは中度難聴までですが高度難聴用もあります。
一番小さいのは完全外耳道挿入型のCIC (Completely In the Canal) 、中間は ITC(In The Canal・・・ハーフサイズ、ミニカナル)、大きいのはフルサイズです。 この限りではありませんが一般的に、CICは軽中度、ITCは中等度、フルサイズは高度難聴用です。

<CIC型補聴器 (Completely In the Canal) >
 サイズが最も小さく外耳道内にすっぽりと完全に収まり、補聴器装用が最も気づかれ難くい補聴器です。しかし、ハウリングが起きやすい、高度な難聴に向かない、耳垢の害を受けやすい、電池が小さく出し入れ等の取扱いに難がある、等の欠点があります。非常にコンパクトで高齢者には使い難いとされています。メーカーによっては、フルシェル、フルカナル、フルカスタム、フルコンカ、ディープカナル等とも呼ばれます。軽度〜中度難聴に対応しています。

<ITC型補聴器(ミニカナル)>
 耳の穴に納まる目立たない耳穴型補聴器ですが、CICタイプほど小さくはありません。音量調整は大抵自動(ノンリニア)ですが、手動で音量コントロールが出来るものもあります。またパワーも比較的大きなものがあるなど、CICに比べて適応できる聴力範囲が広いのが特長です。通常は軽度〜中度難聴ですがパワータイプは高度難聴にも対応します。マイクロホンを耳介の溝に収めるタイプもあり、これはスピーカーとマイクロホンの距離を長く出来るのでハウリングに有利です。

<カナル型補聴器(フルサイズ)>
 耳穴式としては、一番大きく、多くは高度難聴用です。

【耳掛け形補聴器(BTE ・・・Behind The Ear)】
 本体を耳タブに掛けてチューブで音を耳穴に導くタイプとスピーカー部を耳穴に入れる RIC (Reciever In Canal) タイプがあります。通常は軽度〜中度難聴用ですが、イヤモールドを使用して高度や重度難聴にも対応する製品もあります。
形状は耳穴形より大きいのですが最近は小型化が進み、目立たない上に活動し易い商品が増えました。また、回路技術の発達によってハウリングも起きにくくなり、閉塞感の少ないオープンフィットタイプが増えました。しかし、高度難聴や重度難聴用ではオープンフィットタイプと言う訳にはいかなくて、大抵は中度難聴までです。
電池交換など扱いは比較的容易で、大抵はボリュームコントロールやテレコイル等の機能が搭載されています。また、カラーバリエーションが豊富なのも特徴ですが、メガネを掛ける場合は若干不便を感じます。手入れは耳あな型程気を使う必要はありません。しかし、夏は汗、冬はパイプの水滴に注意が必要です。

【箱形補聴機(ポケット形)】
 外観は、ボケットラジオのようでサイズは大きめの切手くらいからタバコの箱の倍くらいまで様々です。各種機能が使用者によって操作出来る、本体を相手の口元へ近づけて聴くことが出来る、電池代等ランニングコストが低い、イヤホンを用いるのでマイクロホンとスピーカー部の距離が十分ありハウリングが起き難くく重度難聴用として適している、等の特長があります。欠点としては衣ずれ音が入り易い(マイクロホンがイヤホンと一体化されたものはこの欠点がありませんがハウリングには不利です)、サイズが大きいしイヤホンのコードが邪魔、等です。 価格の割に高性能な商品が多いので、サイズや外観が気にならなければお薦めできます。

【ヘッドホン形補聴機】
 機種は少ないものの比較的古くからあり、根強い人気があります。形状は大きいのですが邪魔なコードがなく、パッド式ヘッドホンは耳穴に負担がかからないのが利点です。

【携帯電話機形補聴機】
 携帯電話機のように、必要な時だけ耳に当てて使うことが出来ます。そのため使わない時の煩わしさが無いし、雑音はあっても殆ど気になりません。価格は手ごろですが、大抵は軽度難聴用です。

回路方式による補聴機の分類

 一般的に、回路方式はデジタル方式とアナログ方式に分類されます。しかし、どちらの方式も内部処理はメーカー毎に異なるので、比べて論じるのは適切とは言えません。また“アナログよりデジタルは圧倒的に高性能”というイメージをお持ちの方は多いと思いますが、それはデジタルオーディオ機器の音がそれまでのアナログオーディオ機器よりも圧倒的に優れていたからだと思います。しかし、処理の行程が少ない補聴機では他のオーディオ機器のような差は殆ど起こりません。デジタル方式の優れているところを敢えて挙げるなら小型化や多機能化が容易なことでしょう。

【マルチチャンネルフルデジタル方式】
 入ってきた音信号は一旦デジタル信号に変換されて処理されます。現在のデジタル補聴器の殆どがこの方式です。処理内容は、音声信号が周波数帯域毎に分割されて、それぞれに個別にゲインと音量制限が行われた後で再び合成されて出力されます。各周波数帯は「バンド」又は「チャンネル」と呼ばれ、これが多いほど細かな調整ができます。欠点は自然な音質を得難いことです。

【プログラマブルデジタル方式】
 音はアナログ信号のままで処理されますが、周波数帯域毎のゲインと音量制限はデジタル技術で行われる方式です。過去の方式になりつつあったのですが、最近現れたチャンネル無し方式はこれに分類されるのかもしれません。また、音信号だけに着目すればアナログ方式と考えることも出来ます。

【アナログ方式】
 音をそのまま電気信号に変換して増幅し、再び音波に戻して聞く方式です。「ホワイトイヤー」や「みみ太郎」はアナログ方式です。
アナログ方式は小ささと機能の多さでデジタル方式にかないませんが高性能なものも多く、アナログ方式でなければ、というユーザーは少なくありません。また、集音器の殆どはアナログ方式です。アナログ方式は音質が力強いと言われることがありますが、これはデジタル/アナログには関係ありません。力強さのためには低域再生が必要ですがそのためにはパワーが必要であり、小型のデジタル補聴器には不都合なのでメーカーがそのように造っているのが真相だと思います。

<デジタルとアナログではどっちが良いか>

 このことは補聴器の解説には必ずといって良い程登場します。現実としては医療機器としての小型補聴器はほぼ100%はデジタル方式、小さくない集音器の殆どと、かなりの箱形補聴器はアナログ方式です。また、集音器にはデジタル技術が使われていてもアナログを称する製品も少なくありません。
私の主観になりますが、小型であることが重要ならデジタル方式、自然な音質が重要ならアナログ方式だと思っています。しかし実際の選択では双方を天秤にかけることになると思います。

 音質や聞こえ方でデジタルやアナログを問題にするのは技術的にはおかしなことです。何故ならデジタルとアナログの違いは音声信号をどのような手法で処理するかの違いであり、どのような特性にするかではないからです。つまり、聞こえ方はどのような特性に処理したかによって決まり、デジタルかアナログかはあまり意味が無いからです。

 しかし小型デジタル補聴器の殆どには「マルチチャンネルフルデジタル方式」が採用されていて、それらはどれも音を同じように処理しています(必ず同じと言う訳ではありませんが)。この方式では音声帯域を分割してそれぞれを処理した後で再び結合しますが、これには長所と短所があります。長所は過大音の抑制がし易いことと、耳(難聴)の特性に補聴器の特性を合わせ易いこと、短所は不自然な音になりやすいことです。(デジタル方式の最も大きなメリットは音質や聞こえ方よりも小型化が容易なことです。)

 一方、音声帯域を細かく分割して処理するアナログ補聴機は見あたりません(昔はないこともなかった)。そのため自然な音質の商品が多くアナログ補聴機の長所となっています。また、過大音特性がデジタル方式に比べ劣ると言われますが、最近の商品でこれが問題になるアナログ補聴機はあまり見かけません、もしあれば出来損ないかもしれません。また、箱形補聴器(医療機器)の多くもアナログタイプです。これを見てもデジタル補聴器の長所は小型であることが分かります。(小型化の面でアナログ方式はデジタル方式に太刀打ち出来ません。)

その他の分類

【気導方式補聴機】
 気導方式とは増幅された音波を耳穴に加えることで聞こえを助ける方式です。殆どの補聴機が気導方式です。

【骨伝導方式補聴機】
 骨伝導方式は音信号を頬骨等に加え、頭骨を介して聴覚神経に音を伝えます。そのため耳穴に負担がかからないし、気導式で問題になり易い雑音や衝撃音の問題がありません。また、鼓膜や中耳の機能が低下している伝音性難聴用として優れています。耳穴に補聴機を装着するのが不都合な伝音性難聴者用として、これ以上はありません。
形状は箱形やメガネ型があり、適用範囲は商品によって大きく異なります。しかし、強力な商品でも高度難聴の初めまで、メガネ型なら軽度難聴用と考えるべきでしょう。
また、BAHA (Bone Anchored Hearing Aids) という埋め込み型の商品もあります。普通の骨伝導では骨とスピーカーの間に柔らかい人体組織が介在しますが、BAHAはインプラント技術で頭蓋骨に取り付けます。そのため、頭蓋骨が直接振動されてよく聞こえます。

【電波による無線方式補聴機】
 電波の送信機と受信機で構成されていて、マイクロホンは送信機に、スピーカーは受信機に設けられています。送信機を話者の近くに設置すれば、受信者は話者から離れていてもよく聞こえるので共聴用として増加しています。FM電波方式、デジタル電波方式、ブルートゥース方式などがあります。

【磁気ループ方式補聴機】
 磁気ループも無線方式の一つです。ブルートゥースやFMによる無線は音声信号を周波数の高い電波に乗せますが、磁気ループでは音声信号そのものが電磁波として輻射、伝達されます。そのため磁気ループの信号は簡単なコイルで受信出来ます。
磁気ループ方式は、他の電波方式に比べ混信に弱い、雑音が入り易い、等の欠点があり減少しています。しかし汎用性が高いので共聴用として根強い需要があります。
多くの耳かけ型補聴器は磁気受信機能を内蔵していますから、そのままで磁気ループの信号を聞くことが出来ます。磁気ループの信号を受信するには、補聴器のスイッチをTにします。Tはテレホンを意味します、つまり磁気コイルを持った電話機のためのモードです。USの固定電話機にはたいてい磁気コイルがついています。しかし、日本製電話機には殆どついていません。

【人工内耳】
 人工内耳は補聴機とは動作が著しく異なるので通常は別物として扱われます。しかし聴力を回復させるという意味では補聴機の一種と考えても良いと思います。一般に90dB以上の重度難聴で補聴機が役立たない人に薦められます。構造は、インプラントが頭部に埋め込まれ、インプラントの電極束部分が蝸牛と呼ばれる器官に挿入されます。外部スピーチプロセッサの収音方法は補聴機と同様であり、収音された音は電気信号としてスピーチプロセッサのヘッドピースから人体に埋め込まれた受信機に磁気結合で送り込まれます。そしてこの電気信号が電極束により蝸牛に刺激を与え音として感じられます。
人工内耳は手術が必要ですが必ず成功する訳ではありませんし、失敗しても元の状態に戻すことは出来ません。従って、聴力が残っている場合は慎重に検討すべきでしょう。尚、個人差がありますが、ホワイトイヤーは100dB超でもハッキリ聞こえることが少なくありません。人工内耳の前に検討されてはいかがでしょうか。

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