重度難聴での選択

　

重度難聴なのですが、骨伝導補聴器とホワイトイヤーではどちらがよく聞こえますか。


　重度難聴なら勿論ホワイトイヤーをお薦めします（胸を張って）。私の経験では、重度難聴に骨伝導補聴器ではどうにもなりません。

　難聴は大ざっぱに下記３つに分類され、骨伝導が有効なのは伝音性難聴です。そして伝音性難聴では重度難聴はもとより、大抵は高度難聴にも至りません（例えば、鼓膜はなくてもかなり聞こえます）。

１．伝音性難聴
　鼓膜や中耳など音を聴覚神経まで伝える器官の機能低下による難聴。

２．感音性難聴
　聴覚神経に属する器官の機能低下による難聴。

３．混合性難聴
　伝音性難聴と感音性難聴の２つの要素を持っている難聴。

　高度難聴以上に伝音性難聴はあまり見られません。従って骨伝導補聴器が有効なのは中度難聴までと考えるのが無難です。
しかし、少数ですが高度難聴でも聞こえる場合もあります。これは一部の混合性難聴ではないかと私は考えています。何故ならこのような方はお年寄りに多いし、お年寄りには混合性難聴の人が多いからです。伝音性難聴と感音性難聴の相乗効果によって高度難聴になっている場合、その中の伝音性難聴に関して聞こえが改善されるのかもしれません。

　しかし、骨伝導補聴器が役立つ重度難聴者に出会ったことは私はまだありません。尚、ホワイトイヤーは重度難聴より更に深刻な最重度難聴でも聞こえることが多いのです。