補聴器の価格差による違い

 

補聴器の価格は数万円〜数十万円と非常に大きな差がありますが、何が違うのでしょうか。



 補聴器が高価格である最大の理由は小型であることと、補聴器店の技術料ということになります。
最も高い価格帯の補聴器は殆どの場合耳穴型ですが、耳穴型では、当然のことですが耳穴に収まるサイズの中にスピーカー、アンプ、マイクロプロセッサー、マイクロホン、それに電池まで入っています(この中にパソコンが1台入っているのだと説明する販売者もありますが、そんな無茶苦茶なことではありません。しかし非常に小規模のマイクロプロセッサーが入っていることは確かです)。そのため大変小さな専用部品が必要だし、組立も困難なので高くなります。
また、このタイプの補聴器は音量や音質をユーザー自身で調整出来ない場合が殆どです。そのため補聴器店がこの設定を行いますが、その技術料がかかります。

 一方安物でもかなり小さなものがありますが、それらは構成が簡単であったり、最新の部品は使われていなかったりなので安いのです。また、大抵は補聴器店での調整は不要なので、その費用もかかりません。

 また、集音器では開発や販売方法に制約が少ないので、その分安いと言えますし、集音器は小さなものが少ないのも低価格の一因です。 しかし、あまりに安いものには粗悪品も多いので注意が必要です。

 それにしても価格差が有りすぎるとは、電子技術者さえも感じているのです。特に耳穴型の価格が高いのが目立ちますがこれは宴占化が進んだことが大きな原因だと私は思っています(デジタル補聴器の中身は殆ど海外大手メーカー製です)。
聞こえ具合については価格ほどの差は無いのが普通であり、特に軽度難聴の場合は差が出にくい筈です。また、最近は集音器にも大変高性能なものが有りますので、固定観念は捨ててご自分に最適なものを選択するのが良いのではと思います。