電子機器のクリーニングとアルコール

　

　外装やケーブルのクリーニングには中性洗剤を薄めた液を染ませた布で拭きます。しかし、汚れの酷いイヤホンコードやシリコン樹脂製イヤホンチップの汚れを落とすのは容易ではありません。この様な場合は中性洗剤を薄めた水溶液の中にコード部と外したイヤホンチップを２４時間程度浸すと綺麗に出来ます（スピーカー部が水に触れないこと）。スピーカーハウジングの凹部汚れは楊枝で落とします。また、電池スプリングなど金属部分に水が付くと腐食の原因になることがあります。

　修理業者は中性洗剤ではなくアルコールを利用するのが普通です。純度の高いアルコールは電子部品にも安心して使えます。 しかし発火しやすいし、劇物に指定されているものもありますのでご注意下さい。

アルコールの種類と特徴

高純度エタノール（エチルアルコール）
　修理業者は通常９９％以上のエタノールを使用します。エタノールは比較的安全なのでお勧めです。薬局で入手出来ます（ドラッグストアではあまり入手できません、薬局とドラッグストアは異なるようです）。

高純度メタノール（メチルアルコール）
　木精とも呼ばれ、劇物に指定されています。理由は飲むと危険だからです、戦後軍事用が闇で売られ多くの人が飲んで問題となり劇物に指定されたそうです。燃料用としても使用されます。工業用アルコールと呼ばれるものもこれだと思います。
薬局で入手出来ますが１８才以上の方が印鑑を持参する必要があります。申し込み用紙には用途の記載も必要です。

イソプロピルアルコール（プロパノール）
　ひどい汚れを落とすのに使用されます。私の経験ではメタノールで磨いてダメだったメモリーの端子をこれで磨いたら正常になりました。しかし、一部のプラスチックや印刷を溶かすことがあるので注意が必要です。

メタノールとイソプロピルアルコールの混合液
　これは劇物には指定されていません。理由はイソプロピルアルコールが入っていると不味くて飲めないためだそうです。
高純度イソプロピルアルコールには及びませんが汚れもよく落ちます。

燃料用アルコール
　ここではコーヒー等を沸かすアルコールランプに使用されるものを指します。
私が入手したものはエタノール３０％、メタノール７０％でした。ホームセンター等で入手できますが、電気接点の清掃には不向きです。危険等級IIですがなぜか劇物には指定されてない様です。

消毒用アルコール
　純度８０％前後のエチルアルコールであり、ドラッグストアー等で容易に入手出来ます。