電子機器に触れると感電するのは何故?

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電子機器の金属部分に触れるとチクチク或いはピリピリと痛みを感じた事は有りませんか? これは感電です、人体に危険ではありませんが一度経験すると二度と触れたくないイヤなものです。エッッ・・気持ちイイッて・・・(^^;
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 チクチク、ピリピリの原因はAC電源のしくみと機器の回路により起こります。
家庭のAC電源は通常2本の導線間にAC100V(最近はエアコン用など高い消費電力用として200Vのものも増えている)の電圧かかっています。そしてこの2本の線の内、どちらか一方がアース(接地・・つまり地球に接続)されています。
そして私達は通常地面に触っている訳ではありません。しかし、床や履き物を通して電気的に地面に接続されていることが多いのです。そのため、AC電源の接地されていない側の線に触れると、その線と床や履き物の間にある人体に電流が流れて、かなり強い電撃を受けるのが普通です。この電撃の強さは床や履き物の質(電気抵抗の大きさ)により異なります。

 電子機器の金属部分に触れるとチクチクするのもこれが原因です。と言っても電子機器の金属部分がAC電源に直接接続されている訳ではありません。しかし、チクチクする機器はたいてい、AC電源と金属部分が少容量のコンデンサで結合されています。コンデンサが小容量なので電撃は弱くビリッビリッではなくチクチク程度なのです。
このような場合はACコンセントの差込方向を逆にしてみて下さい。多分感じなくなると思います。
コンデンサによる接続は機器が周囲のノイズの影響を出来るだけ受けないため、或いは周囲に出すノイズを少なくするために行われます。
洗濯機等では電気を通す水が付いた外筐によってAC電源と人体が触れて感電する可能性があるので、大抵は接地用の電極が付属されています。多くの方はこれを使用されてはいかもしれませんが、感電しないためには接地すべきです。

 二つの電子機器(例えばビデオデッキとテレビ等)を互いに接続しようとするとコードが機器に触れた時小さな火花がでることが有りますが、これも上記のAC電源の構成が原因です。つまり一方の機器のアース回路がコンデンサで結合している電源ラインともう一方の機器のそれとの極が異なるために、2つの機器を通して微少な電流が流れているのです。
これは特に危険という訳ではありませんが、雑音特性に悪影響を及ぼすことがありますし、わずかな電流でも何時も流れているのは気持ち良いものではありません。気がついたら一方の機器のAVプラグの差し込み方向を変更しましょう。

 なお、日本の100V電源やアメリカ合衆国の117Vでは電源プラグは2極のものが普通です。しかし、200V電源や欧米に多い230V電源では3極タイプが使われます。この3極プラグでは1つがアース専用に使用されています。そして電源側(つまり柱状トランス等)では200Vの一方ではなく、200Vの中点が接地されています。そしてこの中点が3つ目の線につながっています。
そのため電源電圧は200Vであっても、地面と電源ラインの間は100Vです。つまり電圧が高いと感電したときに危険度が高いので地面との電圧ができるだけ低く(半分)なるように構成されているのです。

 昔、真空管が全盛だった頃、多くのテレビやラジオのシャーシは直接AC電源の一方に接続されていました。子供の頃、私はこれに触れて、何回、いや何十回、激しい電撃を受けたことか。また、たまにはテレビの高圧(6,000Vとか20,000V・・・電流が少ないので死ぬことはないのですが)に触れたりして (・・;)


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