プラズマディスプレーの原理

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プラズマディスプレイーを私が初めて見たのは40年以上前だったと思います。しかし、テレビに使われているカラーのプラズマディスプレーが現れたのはかなり最近のことです、40年以上前に見たものは黄色の単色だったような記憶があります。また、テレビは現在大型も含め殆どが液晶ディスプレーですが、数年前までは大型テレビにはプラズマ方式が適しているとされていました。
プラズマという言葉はイナズマを連想させ、プラズマに稲妻のような閃光をイメージされる方も少なくないのではないでしょうか。プラズマと稲妻は語源に何の関わり合いがありませんが現象としてはけっこう近い関係にあったりします。

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 プラズマディスプレーの構造は、非常に小さな蛍光灯が画面いっぱいにぎっしりと並べられていると言えます。勿論その一つ一つが蛍光灯のような形状をしている訳ではなく発光原理が同じという事です。またカラー表示が必要ですから、その小さな蛍光灯には赤、緑、青の3種類が有ります。

プラズマディスプレーの発光部構造

 しかし、蛍光灯と同じものが何故プラズマなのでしょうか。イヤそれよりも、プラズマとはそもそもどんなものなのでしょうか。

 プラズマとは物質の状態の一つを言います。
通常物質は固体、液体、気体のいずれかの状態に有ります、例えば氷、水、水蒸気の様に。
そして更にもう一つの状態にプラズマが有ります(「物質の第四の物理状態」・・・必ずしも認められている表現ではありません)。だから通常は、気体の次がプラズマと思って構わないでしょう。つまり気体を更に加熱するとプラズマになります。
しかし、プラズマは気体のように軽いとは限りません。なぜなら、プラズマは物質を構成している原子と電子が離れている(電離)ものの、集団としての電気特性が中性(電子のマイナスと原子のプラス・・正イオン・・がつり合っている)の状態であり、このような状態は気体のようでなくてもあり得るからです。
また、高温でなければならないという訳でもありません。プラズマは粒子のエネルギーが高い、つまり粒子の激しい振動によって発生します。加熱するとプラズマになるのは、そのエネルギーで粒子が激しく振動するからです。しかし、一つ一つの粒子が激しく振動していても、粒子の数が少なく密度が低ければ温度は低いわけです。

 プラズマは電子が自由に動けるので電気をよく通します。蛍光灯の場合、このプラズマによって管内を電流が流れます。そして、この電流によってプラズマ状態が保たれます(蛍光灯の場合のプラズマはほんの僅かです)。
プラズマの粒子は運動エネルギーが高い、つまり激しく振動しています。この粒子が他の中性の原子や分子に衝突すると、衝突された原子や分子も振動します。しかし、衝突された原子や分子はその後、振動しない、或いは振動が少ない状態に戻ります。この時、余分なエネルギーが光となって放出されます。この時の光は通常紫外線ですが、この紫外線は管内に塗られた蛍光体によって可視光に変えられます。
プラズマディスプレーの発光原理もこれと同じです。この原理を利用した、小さな発光器を数多く並べて、その一つ一つを信号で制御出来るようにしたのがプラズマディスプレーです。

 

 プラズマは身近な自然現象の中にも数多くあります。例えば冒頭に稲妻と書きましたが、帯電した雷雲どうしの放電、つまり雷によって大量のプラズマが発生します。
また太陽風もプラズマだそうで、これが地球の磁場の影響で北極などに集まるとオーロラが発生します。
宇宙を構成する物質の 99% 以上はプラズマでだと言われています。宇宙は真空ではなく希薄なプラズマによって満たされているのかもしれません。


 
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