通販の補聴器や集音器

 

補聴器は通販で買うべきではないという説明を聞くことがありますが、非常に多くの補聴器や集音器が通販で売られています。本当はどうなのでしょうか。



 「通販で買うべきではない」という理由は、次の二点です。

1)使用者に十分聞こえるかどうかの確認が出来難い。
2)難聴の具合に合わせて最適な調整が出来難い。

 1)の問題は返品や試聴が出来る店で購入するならリスクはあまり有りません。ご購入時に十分な確認が必要なのは勿論です。

 2)の問題は調整型補聴器で問題になりますが、無調整型なら補聴器店で買おうが通販で買おうが差はありません。
調整型補聴器というのは耳穴タイプや耳掛けタイプでは一般的なものであり、使用者による音量や音質の調整が出来ない、或いは出来にくいタイプのものです。そのためこの調整は補聴器店でやってもらう必要があります。しかし、通販で購入した補聴器を近くの補聴器店で調整してもらうのは不都合が多いのでこのタイプの補聴器を通販で買うのは適切ではありません。また、耳の聞こえ具合はいつも一定ではないので、この調整に終わりはなく、度々行う必要がありますから尚更です。

 無調整型補聴器や集音器は音を増幅するだけなので十分な聞こえが得られなかったり、耳のために良くないという解説を聞くことがあると思います。しかし、耳の特性に補聴器の特性を合わせる最大の目的は、補聴器を聞こえの良い特性にすることですから、試聴してよく聞こえる無調整型ならこの問題はないと言えます。また、軽度〜初期の中度難聴なら無調整型補聴器で十分な場合が殆ど、いや同じ値段なら無調整型の方がよく聞こえることが少なくありません。

 調整のもう一つの目的は衝撃音に代表される過大な音量を防止する事です。過大な音量に対しては考慮されていない商品はあまり有りませんが、もし、衝撃音や過大音で頭痛がしたり耳が痛いならその商品の使用は避けた方が良いでしょう。また、過大音に配慮されている補聴器でも衝撃音で耳が痛いという商品は有るかもしれません。不快な衝撃音は必ず大音量という訳でもないのです。 ということで、これも十分試聴すればあまり問題ありませんが、調整型補聴器の通販による購入はしないのが賢明です。