補聴器と助聴器や集音器の違い

補聴器・骨伝導 補聴器 等の難聴 機器 販売へ 

補聴器、助聴器、集音器、音声増幅器、音声拡聴器、拡聴機、遠聴器、聴音補助機..等々...いったい何が違うのでしょうか。
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重度難聴用 補聴器 類
 

 補聴器には集音器と呼ばれる商品があり、一般的に医療機器に認定されているのが補聴器で、認定されてないのは集音器と思われています。 しかし、それは間違いです。「補聴器」は聴こえを補助する器具という意味だし、法規にも補聴器は医療機器でなければならないとは書かれてはいません。更に、補聴器と言う言葉は薬事法が出来る前からあったと考えられますから尚更です。だから「医療機器でなければ補聴器ではない」というのは「医療機器でないメガネはメガネではない」というのと同じです。つまり、難聴用集音器もりっぱな補聴器です。

 高価であったり使用者の耳の特性にあわせて調整が出来るのが補聴器という訳でもありません。また、集音器は音を増幅するだけで音量制限が無いから耳を痛めると書かれたホームページが少なくありませんが、集音器で耳を痛めた話など聞いたことがありません。

「集音器」という言葉は本来、マイクロホンと共に用いられる音を収録するためのパラボラ型音反射器を指す言葉です。これが医療機器でない補聴器を指すようになったいきさつは次の通りです。

 昔、医療機器でない補聴器は安物商品が僅かにあるだけでしたが、十数年前から増え始め性能も医療機器の補聴器より優れた商品が現れ始めました。すると、既存の補聴器業者が「医療機器ではない商品は補聴器ではない」と非難しました、危機感を持ったものと思います。そのため、ある通販会社が避難をかわすために、医療機器ではない補聴器を“集音器”と称して販売しました。それ以降、医療機器ではない補聴器は集音器と呼ばれるようになりました。
集音器という言葉は既存補聴器業者によるネガティブキャンペーンにより生まれた言葉と言えます。

 補聴器が医療機器に認定されるためには、メーカーはその申請をしなければなりません。
これは医療機関の協力が必要だったりして新規参入メーカーにとっては負担が大きい上に、医療機器に認定されると一般の電気店では販売出来ません。しかも日本の補聴器店は特定のメーカー品しか扱わない店が多いので、販売ルートの確保が難しい問題もあります。つまり新規参入メーカーは医療機器としての補聴器よりも集音器で販売した方がメリットが多いのです。そのため、あえて医療機器の認定をとらないで集音器として販売をしているのが実情です。

 かなり多くの補聴器販売サイトで、「特性をお客様一人ひとりの耳に合わせて調整出来るのが補聴器」だと説明されていますがそういうことではありません、調整出来ない補聴器もいっぱいあります。見かけませんが、助聴器や集音器であってもこの様な調整機能がついたものを製造するのは可能です(高性能 集音器には周波数特性調整機能と同じではありませんが、目的が同じ機能を持っているものもあります)。

 軽度難聴では比較的安価な助聴器や集音器で事足りる場合も多いし、何十万円もする補聴器でも快適とは限らないようです。だから安物は使いものにならないと決めつける必要はありません。
しかし、重度、或いは高度難聴では、使用者の耳に合わせて調整出来ることが重要な場合もあります。
またデジタル補聴器は雑音を消去する機能を持っているものが増えました。しかしこの機能は必要な音まで消去してしまう欠点がありますし、不快感を十分に解消出来ません。(ラージから発売されているホワイトイヤーは使用者自身で容易に最適特性に出来る上に、雑音の問題も根本的に解決されています。)

 補聴器のフッティング(耳の特性に合わせる調整)は主に次の3つが行われます。
1)使用者が聞こえにくい周波数の音を他の周波数より強く増幅する。
2)音の最大レベルを制限する(煩くないように)。
3)使用者の難聴の度合いに合わせて増幅の度合いを設定する。

 補聴器や集音器を使うと「雑音や衝撃音が煩い」「遠くの音が聞こえない」「騒音の中で言葉を聞きとれない」等の問題があり、健康な耳のような聞こえは得られないとされてきました。どんな高価な補聴器を使っても健聴者の聞こえにはほど遠かったのです。しかし当社はこの原因を突きとめホワイトイヤーで商品化しました。

 昔、集音器はオモチャと言われ、安くて粗悪な商品の代名詞でした。しかし、みみ太郎フェミミホワイトイヤー等、高性能 集音器の出現でそのイメージは大きく変わりました、これらは医療機器としての補聴器よりもよく聞こえることの方が多いからです。また、高性能とまでは言えませんが一万円前後の価格帯でも、軽度難聴用としてなら十分に役立つ良質な商品が増えました。更に、集音器には扱い易いサイズのものが多く、これを好まれる方も多いようです。このような理由で、集音器のユーザーは着実に増加しています。高齢者の増加によって難聴者が増えているのに補聴器の売り上げが伸びないと言われていますが、原因は集音器の増加かもしれません。

 お客様から「補聴器ではもう無理なので集音器を探したらどうですかと、お医者様に言われました」という話をお聞きすることもあります。以前は、医療機器でない集音器を患者様に薦める医師は皆無でした。集音器はお医者様にも認められ始めているようです。

 集音器に購入代金の補助が行われる自治体も僅かですがあるようです。「ホワイトイヤーは集音器ですか?」というご質問をお客様から戴いた事もあります。ご質問の主旨は、集音器なら購入代金の補助を受けることが出来るから、とのことでした。
(受給出来るかどうかや受給条件は自治体によって異なります、詳しくは自治体の福祉課にお尋ね下さい。なお、難聴機器を表す言葉としては「集音器」の他に「助聴器」「音声増幅器」「聴音補助器」「拡聴器」等の呼び方がありますが、自治体では「集音器」という言葉が使われているようです。)

 補聴器や集音器とは異なる機器に人工内耳(医療機器です)があります。これは聴覚神経の一部である内耳に手術で電極を埋め込み、音声信号からつくり出した電気信号をこの電極で内耳に与えることで音が聞こえるようにしたものです。音そのものを耳に加える補聴器や集音器とはここが全く異なります。また、聞こえを助けるというよりも聞こえないものを聞こえるようにする機器、或いは補聴器や集音器では聞こえない場合の最後の手段というイメージもあります。

 ブログ(補聴器は医療機器ではない?)もご覧下さい。


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