【概 要】
【老人性難聴と骨伝導補聴器】
骨伝導機器は、形状が大きい、遠くの音は聞こえにくい、感音性に適さない、等の欠点が有ります。しかし、雑音が気にならない、耳穴及び鼓膜に負担がかからない、耳を塞がないので圧迫感が無い、等の素晴らしい特徴があります。そのため、快適な聞こえ方をお望みの方に大変喜ばれています。
骨伝導の効果をインターネットで調べてみると「全ての老人性難聴に非常に大きな効果がある」「重度の難聴でもよく聞こえる」等と解釈されかねない記述が大変多く見られます。そのためか、そのように思い込んでいらっしゃるお客様は多い様です。
しかし、骨伝導が有効なのは伝音性難聴(鼓膜などの、音を聴覚神経まで伝達する器官の障害)に対してであって、全てのお年寄りに効果が有る訳ではありません(中耳炎等が原因の場合は効果的です)。何故なら老人性難聴はたいてい伝音性難聴と感音性難聴(聴覚神経に属する器官の機能低下)を併せ持つ混合性だからです。つまり骨伝導では伝音器官の機能低下分は聞こえが改善されますが、感音機能の低下が大きいと効果を期待できません。
しかし、感音機能が低下しているといえども、まだある程度機能しているなら恩恵を受けることが出来ます。また、このような状態なら重度にまでは至らないのが普通です。つまり、中度難聴や軽度難聴なら骨伝導補聴器は十分に効果を期待できます。
骨伝導電話機を製造しているP社では老人性難聴 者の約6割に骨伝導は効果が有ると発表しています。しかし重度難聴ではあまり期待できません(希に効果がある場合もあります)。
中度難聴はかなり深刻な障害です。従って、会話が出来なかったお年寄りと会話ができるようになるのは本当です。そして、聞こえ方が大変快適ですから、補聴器を使ってもらえなくてお困りでしたら是非お試し下さい。尚、中度より深刻な方にはホワイトイヤー(骨伝導タイプではありません)がお薦めです。
【お客様より】
奈良県宇陀郡の神田様ご家族の方からのお写真とコメント(原文のまま)を紹介させて頂きますので参考にして下さい。(以下コメント)
装着した結果は、添付写真の表情のとおり、よく聞こえると大層喜ばれました。インターネットの説明のとおり、1対1の会話には非常に効果的ですが、複数の人々の会話に参加する場合は聞き難いようです。
補聴器のスピーカは片耳だけなので、音源の定位感が得られず、複数の散らばった方向からの音源が一緒になって聞こえるために、特定の音源を識別してそれに意識を集中して聴くことが出来難くなる結果であろうと思われます。複数の人々の会話でも、話者が手を挙げて注意を喚起しながら話すと聞き取れることから、我々は常に特定の音源を識別しながら、音を聴いていることがよく分かりました。
テレビの音には非常に効果的でした。
音量を大きくすれば周りからうるさがられるので、不自由でも音量を抑えて聴いていたようですが、小さい音量でもよく聞こえると喜んでいました。3世代が同居していますので、本人は勿論、家族にとっても喜ばしいことで、とくに長男夫婦が喜んでいました。
難聴の状態は個人差が非常に大きい上に下記は主観的なものなので単なる目安とお考え下さい。
また、骨伝導補聴器の適用範囲は中度までとなっていますが、これは伝音性難聴(鼓膜などの音を聴覚神経まで伝達する器官の障害)では60dB以上の人が少ないことが原因であり、骨伝導補聴器の性能が悪い訳ではありません。
適用範囲
![きくちゃん・みみ太郎・ホワイトイヤーの比較](hikak.jpg)
音 質 等(☆の数が多い程優れていることを表します)
| 音の快さ | 衝撃音 | 高周波数雑音 | 低周波数雑音 | 装着開放感 | 遠くの音 |
みみ太郎 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆☆ |
きくちゃん | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆ |
ホワイトイヤー | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ |
|